コラム　「　とかちの窓から　」Column

　こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

　最近みかけなくなったもの。それは雀（すずめ）です。
　幼少の頃から開業間もなくまで、朝は雀のさえずりに助けられて目覚めていました。ところが、ここ７、８年程前からほとんどみかけなくなりました。
　雀の減少は、全国的なもので、主に生活環境の変化ではないかと推測されているそうです。理由として挙げられているものをいくつかご紹介します。

イ）木造住宅の減少により屋根瓦や建物の隙間など、巣作りの場所が少なくなった。
ロ）田畑のコンバインの普及で餌となる落ちモミが減った。
ハ）未舗装の小道や空き地が減り、植物の種などの餌が減った。
ニ）都市部での空き地や草原の減少。
ホ）減反によって水田面積が減った。

　本当？と思ってしまいます。これだけでは不十分ですね。当地のような田舎でも全くみかけないのですから。
　また、世界的にも減少しているそうで、イギリスでは９割減という報告もありました。

　意外な所で、久しぶりに雀に出会いました。札幌ススキノのレストラン前です。講演会の翌日の朝、タクシーで帰ろうと何気なく外を見ると、雪に半分埋もれたゴミ箱の上に３羽見つけました。『チュンチュン』とさえずる声も聞こえました。 　やっぱり、生き物はたくましい。見習うことは本当に多いです。

　自分にできることは何か考えました。私にできることは、１日１ミリでも１歩でも前進することだけ。それが『ニキビ改善への道』につながれば最高だなと思います。

　ニキビの治療には、お薬の力（＝テクニカル／技能面）ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力（＝メンタル／精神面）も大切です。
　このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

　とかち美白研究所では、ＶＣローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

　そこの片隅に『ニキビ治療の４ヶ条（４決め！）』というものを載せています。
（思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。）

　これは私が皮膚科診療を２２年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

　ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第１５回までは『ニキビ治療の４ヶ条』を系統立てて解説してきました。

　第１６回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の４ヶ条』を『基本中の基本（中核）』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ（今まで取り上げていなかったが重要なことなど＝　落ち穂　）にフォーカスをあて（＝　拾い　）、お話させていただいています。

　前回は、ニキビ悪化と大きく関係のある髪型について、『ニキビと髪型について日々苦悩する短髪の中年男性皮膚科医の本音トーク』を、母校の大先輩　渡辺淳一先生の連載をもとに展開させていただきました。
　今回は、『ショートカットでニキビが改善し、モテモテになる』とってもオイシイ方法についてお話しします。

　日々診療していて、大変強く感じることがあります。女性の場合、『長い髪を気にしない鈍感力』があるため、髪型を変えること、特にショートカットにするには勇気が必要であるということです。

　女性のニキビ患者さんを例にあげます。

　私が『髪の毛がかかる部分のニキビが目立ちます。髪型を変えましょう』と説明したとします。
　女性のニキビ患者さんには、論理的に頭の中ではわかっていただけても、『長い髪を気にしない鈍感力』が邪魔して、感情面では強く否定されてしまうのです。

　女性でもアラサー、アラフォー世代で、特にその傾向が強いです。『私の髪型はニキビ悪化と無関係』『髪型はこのままで良くして下さい』などと、顔を真っ赤にして反論したり、逆ギレするニキビ患者さんも本当に多いのです。

　これを打破するための方法とは？

　私は、異性にモテるとか注目されるなど、『愛』の力に訴える方法が有効だと思っています。

　　　『実は男性はショートカットの女性が好きなんです！！！！』

　女性にとっては意外かも知れません。でもこれは事実です。

　この事実を知った、特に髪型に問題ありのニキビ患者さんが、『ショートカット』もいいかも、試してみようかなとチャレンジする
　　　　　『ショートカットでニキビ改善作戦』
は、大変効果の上がる方法なのです。

　テレビをたまたま見ていて、驚くCMを見つけました。例のプロアクティブのCMです。

　ストーリーとしては

イ）先輩に恋している主人公の女の子が、先輩の好みがショートカットの女の子だと知り、自分もショートにしたいと考える。

ロ）でも、ショートにするとロングヘアーで隠していたニキビがわかってしまう。どうしよう・・・・・

ハ）決めた。わたし、変わる

ニ）ニキビ治せば良いんだ。

ホ）努力のかいあってニキビが消える。

ヘ）そしてショートカットに。はじめましてわたし・・・・・　先輩の前に現れ、先輩がドキ。

というストーリーです。
　このCMに対する私の感想は２つあります。

　１つは、ここまで『男性のショートカット好き』を全面に打ち出すのは、すごいリサーチ力だなということです。
　ここまで露骨にやったCMは初めてだと思います。視聴した男性で、『オレのショートカット好きはおかしいことではなかったんだ』と再認識した人がとっても多かったそうです。

　２つは、別に商品に頼らなくても、『ショートカットにするとニキビは良くなる』ということを視聴者に悟られないようにもっていくストーリー構成の巧みさです。

『ニキビを治してからショートカットにする』＝×
『ショートカットにするとニキビは良くなる』＝◯
なのです。
　しかも、後述の通り、『モテたり注目される可能性が高まる』のです。

　こんな記事がネットで配信されていました。以下で、引用させていただきます。

　剛力彩芽、長澤まさみ他ショートカット女優が人気の理由とは？　NEWS ポストセブン 3月25日(日)7時6分配信

　1980年代なら、薬師丸ひろ子（47）、原田知世（44）、1990年代なら、広末涼子（31）、内田有紀（36）…。いつの時代もショートカットが似合う女優やアイドルが注目を集めてきたが、ここ最近も、ショートカット芸能人の活躍が目立っている。
　剛力彩芽（19）、長澤まさみ（24）、AKB48篠田麻里子（26）、瀧本美織（20）などが人気を呼んでいるが、いま、なぜショートカットが受けているのか？
　「個人的にも、ショートカットが好き」というアイドル評論家の北川昌弘氏は、「誰でも似合う髪形ではないのですが、ボーイッシュな印象を与えることができ、女性受けも悪くない。ショートカットは女性芸能人にとって武器になります」と指摘する。

　話題のショートカット美女の筆頭といえば、冒頭で名前を挙げた剛力だが、彼女が人気を呼んでいる理由のひとつは周囲との差別化だという。
　「ショートカットはやはり少数派ですので、ほかの芸能人との違いを明確に示すことができます。とくに剛力さんは、同じ事務所に同年代で武井咲さんがいますが、ふたりのキャラクターの違いを髪形によってアピールできています。またAKB篠田さんも、大人数のグループの中で、髪形だけで個性を出すことに成功していますね。AKBの中でショートカットはほとんどいませんから」（北川さん）

　そして、イメージチェンジのツールとしても有効だと北川氏はいう。
　「これは長澤さんのケースが当てはまります。長澤さんが髪を短くしたのは、映画としてそろそろ代表作をださないと今後の活動にも影響してしまう、といわれ始めた昨年春の映画『岳』の役作りがきっかけでした。
　『岳』はヒット、その後、『モテキ』の演技で大人っぽい印象で新境地を見せることにもつながった。ショートカットはきっかけにすぎませんが、見事に女優として脱皮することができたといえます。瀧本さんも、ドラマ『美男ですね』（TBS系）でショートカットにし、ネット上でも“似合う”“かわいい”と評判で、いまも以前よりも短めの髪形をキープしていますよね」

　ショートカット美女の活躍にますます注目である。　　　　（引用終了）

　主に男性の視点から書かれているこの記事。ショートカットを様々な面から肯定的にとらえています。女性の読者もおわかりいただけたと思いますが、本当に『男性はショートカット好き』な人が多いのです。
　ネットで『ショートカット』『男』『好き』などで検索してみて下さい。驚くような男性の本音が見えてきます。

　私も個人的にリサーチしてみました。

　知人、友人の男性１０人に聞いてみました。７人が『ショートカット大好き』と答えました。
　ここでは書けない、ちょっと憚れる発言をした人もいました。それだけショートカットは注目を浴びやすくモテモテなのです。
　代表的な３人の発言を取り上げます。

A君（高校時代の同級生）
『ショートカット？俺らの時代はやっぱり薬師丸ひろ子だろ。当然好きでしょ。少数派？だから肩身がせまいんだけどな』

B氏（某科の先輩医師＝イケメンでモテモテだった）
『ヘヘヘ。職業的にもさっぱりした髪型が好ましいよね。中学の娘はロングだけど、かみさんはもちろんショートだよ。
　娘は悪い虫がつかないためさ。わかるよね。ショート好きな男は多いし。
　オレもかつてはショートキラーだったから』

C君（患者さんの高校生）
『自分、サッカーやってます。自分の髪は長めでニキビ隠してます。先生は、髪切ればっかでマジウザイ。
　２人いるうち１人の（女子）マネージャーはショートでぐっときます』

ちょっと聞いただけでもこんな感じです。

　B氏（某科の先輩医師）は、学生時代にはかなりモテモテでした。娘はロングにして悪い虫から守ると言うのは、すごい発想です。
　『ショートキラー』という言葉は初めて聞きました。達人はやっぱり違います。

　女性のみなさん。ショートカットにするのは勇気がいるかもしれません。
　でも、１歩進めばニキビ改善につながるばかりか、注目を浴びてモテモテへの道が開かれます。
　髪の毛でニキビを隠しているあなたへ、本当にオススメな方法です。

　今回のポイントは以下の通りです。

　 　

　ショートカット。

　テレビや雑誌をながめると、人気女優さんはどちらかというとショートカットとまではいかなくとも、ショートヘアの方が多いような気がします。
　本当かどうかは別にして、好感度ランキングに登場される方もそんな気がします。

　私？ここまでお読みの方はおわかりだと思いますが、ショート好きです。
　このコラムを読んだ、あなたが髪型をショートカットに変え、『ニキビ改善』プラス『モテモテ』になれると最高ですね。

　次回も引き続き、ニキビと髪型について考えたいと思います。

　それでは。

おおいし　まさき（大石　真暉：ペンネーム）
（昭和４１年北海道帯広市生まれ。平成６年札幌医大大学院修了。
平成７年同皮膚科学講座助手。平成９年とかち皮膚科開院。
平成１４年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士）