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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2014年11月20日配信)

第123回『バランスの取れた「ネガ・ポジ思考」でニキビ改善(3) ~「ネガ・ポジ思考」の繰り返しと「故事」・「プリペアード・マインド」の力でニキビ改善~ 』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

お陰さまで、
コラム【とかちの窓から】が、発行満10周年を迎えました。
2004年11月に第1回を発行して以来、早いもので10年。

読者の皆様ならびに管理人さんご夫婦に感謝いたします。

当初はいつまで『継続』できるか心配だったこのコラム。
現在では、自分の生活の一部となりました。

コラムを『継続』するためには、それ相当の勉強が必要なこともあり、
『ライフワーク』とも言えるものになっています。

また、原稿の締め切りが存在することにより、
怠惰な日々を送りがちな私の『良きペースメーカー』となっています。

そうそう。『継続』で思い出されるのが

『 小さいことをかさねることが、
とんでもないところに行くただひとつの道 』

という、イチロー選手の名言です。

イチロー選手は、日米通算4000本以上の安打を打っている名選手。
コラムを10年継続して、満足感に浸っていた私ですが、
まだまだこれからだなと、気持ちを新たにできました。

イチロー選手を見習い、
これからも1回、1回を積み重ね、
少しでも読者の『ニキビ改善』につながるよう努力します。

『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、
『 「継続」して何となく読んでいるうちに
  いつのまにかニキビが改善している定期便 』
になれば幸いです。

ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を24年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

第112回からは、『ストレス』の対処法に最適な本
『「凹(ヘコ)まない」技術』( 西多昌規 著)
をもとに、『ニキビ』と『ストレス』についてとりあげています。

この本で、繰り返し強調されているのが、
『鋼(はがね)のような「絶対にヘコまない精神力」を無理に手にいれようとするよりは、
「ヘコんでも」うまく元に戻せる「復元力」を徐々につけましょう』
という考え方です。

前回は、『バランスの取れた「ネガ・ポジ思考」でニキビ改善』について、
『故事』の力を味方に付けて、更にニキビ改善を目指す方法について
考えました。

今回は、『まとめ』となります。

バランスの取れた『ネガ・ポジ思考』を繰り返して、
『時間』と『故事』の力を味方に付けた上で、
更に科学的な『プリペアード・マインド』を身につけて
ニキビ改善を目指す方法について考えます。

前回までのおさらいです。

1)同じ事実であっても、見方や考え方によって解釈が
  まったく異なることがよくあります。
  一般的には、『ネガティブ思考』よりは、
  「ポジティブ思考」が推奨されています。

2)西多先生は、
『両者が共存するような「ネガ・ポジ思考」のほうが、
「ヘコみ」には強い』と考えていらっしゃいます。

3)『ニキビが改善しない』という『ネガティブ』な事態が起きても、
『ネガ・ポジ思考』を持てば、
数ヶ月~数年間、ニキビ改善にチャレンジして試行錯誤する内に
『ネガ・ポジ思考』が何万回も繰り返され、
気づいた時には『ニキビ』はかなり改善しています。

4)また、故事『人間万事塞翁が馬』を常に頭に入れていれば、
  『ニキビが悪化する波』が来たなら、次には、
  『ニキビが改善する波』が来るに『決まっている』
  と心静かに楽観的に捉えることができます。

5)『時間』を味方につけた『ネガ・ポジ思考』
    と相性の良い『故事』の力でニキビが改善する。
  『ニキビ改善』に有効で大切な考え方です。

さて今回、
いきなり出てきた『プリペアード・マインド』って何でしょう?
あまり聞かない言葉ですね。

西多先生は以下のように解説されています。

『医学を含めて科学の世界では、仮説通りにいかないという失敗が
 つきものです。
 自分の立てた仮説に従っても予期された結果が得られなかった場合は、
 仮説を見直します。

 失敗で「ヘコんでしまう」のではなく、
 ただでは起きないくらいのしぶとさが、
 自然科学には必要とされているのです。

 このように「うまくいかないことも織り込み済み」という心構えを、
 「プリペアード・マインド」(直訳すれば「準備されたこころ」)
 といいます。

 科学者のような冷徹な考え方は、
 「ヘコんでも」立ち直れるヒントを与えてくれます。

 バランスの取れた「ネガ・ポジ思考」がヘコまない技術のキモとも
 言えるでしょう。』

科学の世界に身を置いて研究したことのある人ならば
素直にうなずける言葉です。

かくいう私も、大学院で研究していた時は、

 仮説1→実験1→失敗1 (でもポイント3点プラス)
→仮説2→実験2→失敗2 (これは後退ポイント2点マイナス)
→仮説3→実験3→失敗3      (でもポイント2点プラス)
——————-実験X→成功!!! (獲得ポイント10点)

という感じで生活していました。

『 失敗してもまあしょうがない。

  失敗の原因はどこにあるのかな?

  仮説の修正がやっぱり必要なのかな~?

 「 うまくいかないことも織り込み済みさ!! 」

 一眠りして、また始めよう!』

と意外とサバサバしたものでした。

この『織り込み済み』は、
何でも軽く受け流すことができる『魔法のことば』だと思います。

『ニキビ改善』を10点満点として少しストーリーを考えてみました。
(20代後半の女性をイメージしています)

 仮説1:ニキビが良くならないのは睡眠不足のせいだ
→実験1:毎日7時間コンスタントに寝てみた
→失敗1:少し良くなったけどまだまだだわ (ポイント3点プラス)

『魔法のことば』=『織り込み済み』

仮説2:ニキビが良くならないのは彼氏がいなくてリア充でないからだ
→実験2:合コンに参加してみた
→失敗2:収穫ナシ。何気にイケメン風男子にニキビのことを指摘され
     大ショック! (ポイント2点マイナス)

↓ 

      

      『魔法のことば』=『織り込み済み』

仮説3:ニキビが良くならないのはニキビを前髪で隠しているからだ →実験3:頭にきたので、この際だから思いっきり前髪を切ってショート      にしてみた →失敗3:おっ!改善してきた。何か世の中が少し明るく見えてきた。      でもアゴに新しいニキビ発見! 

  (ポイント4点プラス)

 

      『魔法のことば』=『織り込み済み』

2ヶ月後、いきなり職場の気になっていた後輩男子から告白される!!

『年下だけど、私にとっては大金星!!  ニキビ? そういえばいつのまにか気にならなくなってたわ!!  ポイント10点!!』

      『魔法のことば』=『ん?何のことかしら?』

とハッピーな展開になっているかもしれませんね。

バランスの取れた『ネガ・ポジ思考』を繰り返して、
『時間』と『故事』の力を味方にする。
更に科学的な『プリペアード・マインド』を身につけて
『魔法のことば/『織り込み済み』を唱えているうちに
『ニキビ』が改善する。

『ニキビ改善』に有効で大切な考え方ですね。

[今回のポイント]は以下の通りです。

      【今回の4決め!落ち穂拾い】

『バランスの取れた「ネガ・ポジ思考」でニキビ改善(3)
 ~「ネガ・ポジ思考」の繰り返しと「故事」・
  「プリペアードマインド」の力でニキビ改善~ 』  

  • ■ 『ストレス』の対処法で最適な本を見つけました。
    『「凹(ヘコ)まない」技術』 西多昌規 著 です。
  •       
  • ■ この本で、繰り返し強調されているのが、
    『鋼(はがね)のような「絶対にヘコまない精神力」
     を無理に手にいれようとするよりは、
     「ヘコんでも」うまく元に戻せる「復元力」
     を徐々につけましょう』
    という考え方です。
  • ■  バランスの取れた『ネガ・ポジ思考』を繰り返し、
    『時間』と『故事』の力を味方にした上で。
    更に、科学的な『プリペアード・マインド』を身につけて
      ニキビ改善を目指す方法について考えました。
  • ■ 『うまくいかないことも織り込み済み』という心構えを、
      『プリペアード・マインド』(「準備されたこころ」)
      といい、「ヘコんでも」立ち直れるヒントを与えてくれます。
  • ■ 『織り込み済み』は、何でも軽く受け流すことができる
      『魔法のことば』です。
  • ■ バランスの取れた『ネガ・ポジ思考』を繰り返して、
    『時間』と『故事』の力を味方にする。
    更に科学的な『プリペアード・マインド』を身につけて
    『魔法のことば/『織り込み済み』を唱えているうちに
    『ニキビ』が改善します。 
  • ■ 『ニキビ改善』に有効で大切な考え方ですね。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その107」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

10年の間に、世の中も変わりましたね。
私自身にとって最も大きな出来事は東日本大震災でした。
その日を境に、私は、
『今、生きていることに感謝できる人間』
になれたような気がします。

このコラム【とかちの窓から】を、 これからもよろしくお願いいたします。

次回は、最近のニキビのトピックについて取り上げます。

それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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