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コラム 「 とかちの窓から 」Column
(2009年10月20日配信)
第62回 『尋常性ざ瘡治療ガイドライン~外用剤の併用治療について~』
こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。
9月の大型連休は以前から温めていた計画を実行しました。それは部屋のそうじと整理です。
第41回~43回のコラムで、『ニキビをリセットするそうじ力』というタイトルで大々的に取り上げたものの、最近では、次々と押し寄せる書類の山に負けて、白旗を上げていました。
これではいけないと考え、業者の人にそうじを手伝ってもらった後、猛然と連休中に整理を行いました。
結果、本当にスッキリしました。探し物もすぐ見つかりますし、仕事の効率もアップしてきました。それから、昔の仕事を振り返ることができたことは大きな収穫でした。以前より、気分が前向きになってきました。 そうじは本当に大切ですね。秋の夜長に、おそうじはいかがですか?
とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。
そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)
ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)
今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!
- (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
- (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
- (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
- (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。
これは私が皮膚科診療を19年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。
ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。
第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。
皮膚科医がニキビの治療、特に保険診療を行っていく上での指針となる「尋常性ざ瘡治療ガイドライン」が、2008年秋に日本皮膚科学会誌上で発表されました。
(詳しくはhttp://www.dermatol.or.jp/medical/guideline/pdf/118101893j.pdf)
前回は、以下の推奨度、特に『推奨度A(強く推奨する)の治療』に絞ってお話させていただきました。
推奨度は、以下のように分類されます。(簡略化しています。)
推奨度の分類
A行うよう強く推奨する
B行うよう推奨する
C1良質な根拠は少ないが,選択肢の一つとして推奨する
C2十分な根拠がないので(現時点では)推奨できない
D行わないよう推奨する
推奨度Aは、ニキビ治療に特に推奨できると、日本皮膚科学会がお墨付きを与えたものと考えられます。
要約すると、『推奨度A(強く推奨する)の治療』は、ニキビの症状により異なりますが、ディフェリンゲル、ダラシンTゲル、アクアチムの外用3剤とミノマイシン、ビブラマイシンの抗生剤2剤の中から薬剤を組み合わせて行うことになります。
今回取り上げるのは、ディフェリンゲル、ダラシンTゲル、アクアチムの外用3剤の併用治療です。
ガイドラインでは、
1.ニキビ(面皰)に対して,ディフェリンゲル外用を強く推奨する.
2.ニキビ(炎症性皮疹:軽症から重症)に対して,ディフェリンゲル外用を強く推奨する.
3.ニキビ(炎症性皮疹:軽症から中等症)に対して,ディフェリンゲル外用と抗菌薬外用の併用を強く推奨する.
とあり、3.を簡略化すると、
『軽症から中等症の炎症性皮疹を伴うニキビには、ディフェリンゲルの他に、ダラシンTゲルやアクアチムを塗ることを強く推奨する』
ということになります。
これは、ディフェリンゲルが、面皰改善作用と抗炎症作用を持ち、ダラシンTゲルやアクアチムの抗菌剤が、抗菌作用と抗炎症作用を持つことから、併用で即効性が期待できるというものです。
(実際、併用で効果が高まったというデータがあります。)
抗菌剤や漢方薬の内服はイヤという患者さんには、良い方法ですね。
さて、ここでクイズです!
Q: 皮膚科のニキビ治療で、ディフェリンゲルとダラシンTゲルの2剤が処方されました。
ディフェリンゲルとダラシンTゲルのうち、どちらを先に塗ると良いでしょうか?
1)どちらでも良い
2)ディフェリンゲルを先に塗る
3)ダラシンTゲルを先に塗る
(回答)
ディフェリンゲルは、顔面に広範囲に塗って効果を得ます。ダラシンTゲルは、炎症部位に局所的に塗って効果を得ます。そのため、先にディフェリンゲルを、次にダラシンTゲルを塗るのが正解です。
逆の順番で塗ると、ダラシンTゲルが不要な部分まで広がり、副作用の原因となります。
最近の研究では、ディフェリンゲルを先に塗って5分後に、ダラシンTゲルを塗ると、ダラシンTゲルの皮膚への吸収率が高まって効果的であるとの報告もあります。
正解:2)ディフェリンゲルを先に塗る
補足として、実際の使用法を以下に示します。
1)ディフェリンゲル、ダラシンTゲルともに洗顔後に使用します。
2)塗り方は、ディフェリンゲルはニキビとその周囲に塗り広げて、ダラシンTゲルは、炎症のあるニキビの部分だけに塗ります。
3)ダラシンTゲルは、1日2回、朝と夜に塗ります。
4)ディフェリンゲルは、1日1回、夜のみに使用します。
5)夜は、両方とも寝る前に塗りますが、ディフェリンゲルを先に塗って少し置いてから、ダラシンTゲルを塗ります。
(参考:NIKKEIDruginformation2009.5)
今回のポイントは以下の通りです。
【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その46」
『尋常性ざ瘡治療ガイドライン~外用剤の併用治療について~』
- •皮膚科医がニキビの治療、特に保険診療を行っていく上での指針となる「尋常性ざ瘡治療ガイドライン」が、2008年秋に日本皮膚科学会誌上で発表されました。
- •治療方法により以下の推奨度が示されています。
A 行うよう強く推奨する
B 行うよう推奨する
C1 良質な根拠は少ないが,
選択肢の一つとして推奨する
C2 十分な根拠がないので
(現時点では)推奨できない
D 行わないよう推奨する
- •『推奨度A(強く推奨する)の治療』は、ざ瘡の症状により異なりますが、ディフェリンゲル、ダラシンTゲル、アクアチムの外用3剤とミノマイシン、ビブラマイシンの抗生剤2剤の中から薬剤を組み合わせて行います。
- •『軽症から中等症の炎症性皮疹を伴うニキビには、ディフェリンゲルの他に、ダラシンTゲルやアクアチムを塗ることを強く推奨する』という、外用剤の併用治療があります。
- •ディフェリンゲルが、面皰改善作用と抗炎症作用を持ち、ダラシンTゲルやアクアチムの抗菌剤が、抗菌作用と抗炎症作用を持つことから、併用で即効性が期待できるというものです。(実際、併用で効果が高まったというデータがあります。)
- •抗菌剤や漢方薬の内服はイヤという患者さんには、良い方法です。
- •クイズにチャレンジ!
Q: 皮膚科のニキビ治療で、ディフェリンゲルとダラシンTゲルの2剤が処方されました。ディフェリンゲルとダラシンTゲルのうち、どちらを先に塗ると良いでしょうか?
A: ディフェリンゲルは、顔面に広範囲に塗って効果を得ます。ダラシンTゲルは、炎症部位に局所的に塗って効果を得ます。
先にディフェリンゲルを、次にダラシンTゲルを塗るのが正解。逆に塗ると、ダラシンTゲルが不要な部分まで広がり、副作用の原因となります。ディフェリンゲルを先に塗り少し置いて、ダラシンTゲルを塗ると、ダラシンTゲルの皮膚への吸収が高まり効果的との報告もあります。
今年もあと2ヶ月ですね。本屋さんで、ふと雑誌『クロワッサン10/10号』を手に取ると、『あなたが、片付けられない理由。片付けるコツがわかります。』の特集が掲載されていました。
今から少しずつそうじや整理に取りかかると、年末は少しゆっくりできますね。
小さな余裕がニキビ改善にもつながります。
次回は、今回取り上げられなかった、「尋常性ざ瘡ガイドライン」の漢方薬についてお話しさせていただきます。
それでは。
おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)
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