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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2016年11月20日配信)

第147回『「正しい洗顔方法」を知って「ニキビ改善」!(2)〜 乾燥を防ぐポイント 4つとは? 〜 』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

こんにちは。
とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

休日。
民放のFM放送(JFN系のAir-G)を1日聞いてみました。

昔と違って、1時間番組は少なく、
30分刻みの番組が多くなっていました。

どの番組も明るい感じで、テレビとはかなり違う趣です。

午前。
声が低くなった?『森高千里』さんに月日の流れを感じました。

午後。
やっぱり、すごいなと思ったのは、
『サンデー・ソングブック』の山下達郎さん。

『サタデー・ソングブック』の時代から時々、聞いています。
1992年10月から、放送が継続されているのはスゴイの一言。
リスナーの層も、中学生からお年寄りまでと幅広く驚かされます。

昔、慣れ親しんだ世界に戻ってみるのは良いことですね。

心が『リラックス』できます。
そして、今の自分を再認識するきっかけにもなります。

『リラックス』はとっても大切です。

『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 26年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿などの
  「ニキビ改善」に重要な良い刺激となる情報を数多く提供。
  「リラックス」しながら 「継続」してチャレンジするうちに
  「ニキビ改善」への道が開ける定期便 』

になれば幸いです。

ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて
います。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を26年やってきた中で非常に重要と思い標語に
したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて 解説してきました。

第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を
『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連した
こと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )
にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

(バックナンバーは
  https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

前回は、

『「正しい洗顔方法」を知って「ニキビ改善」!(1)』と題して、
   主に、避けるべき洗顔法4つについてお話させていただきました。

『 日経新聞 2016年9月17日版 すっきり解決 』
より引用・再構成させていただいております。

今回は、
洗顔による乾燥を防ぐポイントについてお話させていただきます。

お肌の乾燥はニキビの大敵。
乾燥により皮膚のターンオーバーが不調となり、ニキビが悪化します。

その乾燥の原因の一つが
『正しい洗顔法』が行われていないことと考えられます。

新聞の記事では、『正しい洗顔法』について
以下の4名の専門家のお話が詳しく紹介されています。

イ)生活美容ジャーナリストの山岸敦子さん(以下:山岸さん)
ロ)クリニックモリの森文子院長(以下:森先生)
ハ)よしき皮膚科クリニック銀座の吉木伸子院長(以下:吉木先生)
ニ)東京女子医科大学東医療センターの出来尾格講師
                     (以下:出来尾先生)

前回は、山岸さんと森先生のお話を取り上げさせていただきました。
今回は、吉木先生と出来尾先生のお話を取り上げさせていただきます。

紙面の冒頭では、

『スキンケアのためにしっかり洗顔する人は多い。
 油溶性のクレンジング剤でメークを落とした後に
 水溶性の洗顔料で洗うダブル洗顔派もいる。』

と、一般的な洗顔方法の傾向について取り上げられていました。

それに対して、吉木先生は、

A)『肌の水分の80%をセラミドが担う。
  潤いのある健康な肌の水分量は20〜30%。
  角層の水分量がそれよりも低下した状態を乾燥肌という。
  セラミドは年齢とともに減るが、
  さらに強すぎる洗顔やクレンジングによっても流出してしまう。
  これが乾燥の原因』と解説。

B)クレンジ剤は洗浄力が強いので選び方が重要。
  お薦めは、クリームや乳化ジェルなど油分と水分のバランスが良いもの。
  『歯磨き粉くらいの固さがある方が肌を直接こすらずに済む』
  安くても肌トラブルが少ない洗顔せっけんと違い、
  千円以下の安いものは避けた方がいいとも。

C)洗顔後のスキンケアについては、
  『必要なのはセラミドや擬似セラミド、レシチンなど水分と結合する成分
  を配合する保湿美容液 』とし、
  洗顔で流出したセラミドを補う美容液一つで保湿は十分と説明。

他方、肌の乾燥について常在菌バランスからアプローチする出来尾先生は、

A)角層の隙間には善玉の表皮ブドウ球菌と悪玉の黄色ブドウ球菌がいる。
  前者はグリセリンなどの保湿物質を分泌し、
  悪玉菌を退治する抗菌ペプチドを作り出す。

B)『洗顔で角層細胞がはがれると善玉菌まで減る。
  これが悪玉菌を増やす結果になり、肌荒れにつながる』と解説。
  洗顔で菌数は70%減り、元に戻るのに12時間ほど要するとも。

C)乾燥を防ぐには角層をできるだけはがさない洗顔法が肝になる。
  そのためには泡立てた洗顔料を皮脂分泌の多いTゾーンに載せ
  ササッと洗うことを強調されています。

紙面では
『乾燥を防ぐポイント!』 として以下の4つがあげられています。

1)洗いすぎは肌を保湿するセラミドを減らす

2)肌を健康にする善玉菌も洗いすぎで減る

3)角質を無理にはがさないよう、優しく洗い、そっとぬぐう

4)乾燥した室内で寝る時はマスクを着用

最後に、前回登場の 森先生 は以下のように総括されています。

イ)正しい洗顔法は一つではない。
  その日の肌のコンディションや汗のかき具合、
  化粧の仕方などに応じて臨機応変でよい。

ロ)それでも乾燥するなら、化粧品に頼る前に、マスクをして寝たり、
  加湿器で外的環境を変えるのもよい。

ニキビ患者さんで、なぜか皮膚が乾燥すると訴える患者さんは
結構多いです。
その裏には、洗いすぎの悪影響があると思われます。

先生別の構成としたため、わかりにくい所もあったと思いますが、
コメントを拾い読みするだけでも得られるものは多いはず。

少しでも参考にしていただけると幸いです。

[今回のポイント]は以下の通りです。

 
      

【今回の4決め!落ち穂拾い】

『「正しい洗顔方法」を知って「ニキビ改善」!(2)
 〜 乾燥を防ぐポイント 4つとは? 〜』

  • ■「正しい洗顔法」を知って肌の乾燥を防ぎニキビを改善する方法
     についてお話します。
  • ■日経新聞 2016年9月17日版 すっきり解決
     よりの引用です。
  • ■お肌の乾燥はニキビの大敵。
     乾燥により皮膚のターンオーバーが不調となり、
     ニキビが悪化します。
  • ■その乾燥の原因の一つが
     『正しい洗顔法』が行われていないことと考えられます。
  • ■今回は吉木先生と出来尾先生のお話を取り上げさせていただきました。
  • ■吉木先生は『肌の水分の80%を担うセラミドは年齢とともに減少。
     さらに強すぎる洗顔やクレンジングによっても流出してしまう。
     これが乾燥の原因』と解説。
  • ■クレンジ剤のお薦めは、
     クリームや乳化ジェルなど油分と水分のバランスが良いもの。
     洗顔で流出したセラミドを補う美容液一つで保湿は十分と説明。
  • ■出来尾先生は『洗顔で角層細胞がはがれると、グリセリンなどの
     保湿物質を分泌し、悪玉菌を退治する抗菌ペプチドを作り出す
     善玉菌まで減る。これが悪玉菌を増やす結果になり、
     肌荒れにつながる』と解説。
  • ■乾燥を防ぐには角層をできるだけはがさない洗顔法が肝。
     泡立てた洗顔料を皮脂分泌の多いTゾーンに載せササッと洗う
     ことを強調。
  •   
  • ■『乾燥を防ぐポイント!』として以下の4つがあげられています。
    1)洗いすぎは肌を保湿するセラミドを減らす
    2)肌を健康にする善玉菌も洗いすぎで減る
    3)角質を無理にはがさないよう、優しく洗い、そっとぬぐう
    4)乾燥した室内で寝る時はマスクを着用
  • ■ご自身の洗顔法に少しでも参考にしていただけると幸いです。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その131」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

山下達郎さんは『RIDE ON TIME』(1980年)からのファンです。

『サンデー・ソングブック』は、昔から楽しみにしている番組。
でも、ここ数年、番組のスポンサーがころころ変わり、
さすがの達郎さんも大変なんだなと余計な心配をしていました。

何となく、Wikipediaを眺めていると、衝撃の事実が—–。
達郎さんの苦労人ぶりに驚きました。泣けてきました。

達郎さんを見習って、私も強く生きたいと心の底から思いました。

次回は、最近のトピックスについて考えたいと思います。

それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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