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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2020年5月20日配信)

第189回 『「 腸 活 」で「ニキビ改善」~(23)腸内環境を改善するひと工夫~「 味噌汁、漬物はたまにしか食べない 」はやめて便秘改善 』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

 

こんにちは。 とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

『平静を保つ』ことは大切ですね。

今回のコロナウイルス問題では、
診療所を運営していくのが難しい局面に遭遇することが
いくつかありました。

消毒用アルコール、ガーゼ、マスク等々。
医療品専門卸に注文しても配送されなくなった品目です。

一番困ったのが消毒用アルコールでした。
在庫が心配された時期に声をかけていただけたのが、
掃除用品の会社さんでした。

開業以来23年のお付き合いのある会社さんです。
『先生のところでアルコール消毒液大丈夫かなと思いまして』
と営業の担当者の方に声をかけていただきました。

『えっ?本当に購入できるのですか?ありがとうございます』
としか言えず大変失礼してしまいました。

時間はかかりましたが、
きちんと購入することができ大変助かりました。

それまでは
『アルコール、アルコールー。ウオッカ買うしかないかなあ~』
とアルコール中毒患者のように夢にも出てくる状態となり、
『平静を保つ』ことができませんでした。

でも手元に届いてからは、
『平静を保つ』ことができるようになり
通常通り診療を継続できました。

『平静を保つ』『ジタバタしない』『動揺しない』
『精神の安定を保つ』等々。

これは仕事を続ける上で基本中の基本ですね。
『ニキビ治療』では根気良く治療を続けることが大切。
『平静を保つ』ことで根気よくじっくりと治療を続けることができます。

『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 30年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
 「ニキビ改善」を意識できる「情報」を数多く提供。
 「平静を保つ」ことができるようになり
 「ニキビ改善」への道が開ける定期便 』

になれば幸いです。

ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を29年やってきた中で非常に重要と思い標語に
したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは
 https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

第165回からは、
医師の『小林弘幸先生』の本
『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(KKベストセラーズ)
の最終章にある『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
『腸を整える』という項目を発展させ、
『 腸 活 』について独自に掘り下げ、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えています。

『 腸 活 』とは、腸内にいる細菌の『善玉菌』を強化し、
正常な腸内環境を保って健康な体を手にいれることです。

『 腸 活 』が上手く行くと、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんの
『ニキビ改善』につながります。

前回は、
『    「 水分をあまり飲まない 」
        はやめて便秘改善         』
し、『ニキビ改善』につなげる方法を考えました。

今回は、
『  「 味噌汁、漬物はたまにしか食べない 」
        はやめて便秘改善         』
し、『ニキビ改善』につなげる方法を考えます。

『腸に悪い14の習慣 「これ」をやめれば腸が若返る』
 松生恒夫(まつきつねお)著 PHP新書
という本を最近読みました。

4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた消化器内科の先生が
お書きになられた本です。

14の腸に悪い習慣がわかりやすく取り上げられていて、
実体験に基づく優れた内容が満載です。
これはぜひご紹介したいと考えました。

日本人の食は、ここ40年で次第に変化してきています。
米食、一汁三菜を基本とする和食(家庭食)の習慣が
次第に衰退しています。

それに伴い、1960~70年代にはごく少なかった
大腸がんや難治性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
にかかる患者数は1990~2000年代以降に激増しています。

私もこれは実感しています。

ホテルの朝食会場のウオッチングをすると、
ご飯とパンがある場合、
大体3:7でパン派が圧勝していることが多いです。

年齢層の高い人が多い場合でも、
実はパン派が多かったりします。

朝食会場のご飯の炊飯器を開けると炊き立てのままで、
私が一番乗り(笑)だったりすることも少なくありません。

また、
昔からの患者さんがしばらく受診されないなと思っていたら
『大腸がんで入院して手術しました』
と言われて驚くことも1度や2度ではありません。

潰瘍性大腸炎に至っては、
若い男性のニキビ患者さんが通院中に罹患。
仕事を辞めて入退院を繰り返すという
気の毒な状態になってしまわれた方もいらっしゃいます。

和食には、腸によい発酵食品が伝統的に含まれています。
発酵食品を食べるようになった経緯には、
日本人の食のエッセンスでもある「うま味」、
だし(出汁)が密接に関係しているそうです。

日本のだしの一つ、
鰹節は麹菌の一種によって作られています。
燻して乾燥させた鰹にカビを付けて発酵させ
鰹節が作られるようになったのは、
江戸時代の1674年頃です。

漬物は長い歴史の中で、食されてきた発酵食品です。
漬物が初めて日本の文献に登場したのは、
天平年間(729~749年)の木簡に残されている
ウリの塩漬け。
平安時代には酢漬けや醤漬け、糟漬けなども
記録に残っているそうです。

日本人に欠かせない発酵食品の味噌。
文献に記載されたのは701年(大宝元年)の「大法令」。
大善職(だいぜんしき:律令制において、宮内省に属し、
           宮中の会食の料理などを担当した役所)
に「未醤(みしょう)」という字があり、
この「未醤」が転じて「味噌」になったとか。
味噌には豆味噌や米味噌、麦味噌などがあります。
代表的な豆味噌は米や麹を使わず、大豆に直接麹菌を生やし、
塩とともに仕込んで作ります。
醸造期間が長く、乳酸菌が豊富な特徴があります。

日本人の食生活に古くから取り入れられてきた発酵食品。
健康な体づくりにも大いに貢献していることが
近年わかってきました。

1981年10月の日本癌学会で、
当時国立がんセンター(現・国立がん研究センター)の
疫学部長だった故 平山 雄 先生は、
味噌汁の摂取頻度が高くなるほど胃がんの死亡率が低くなる
ことを指摘されています。

また、いわゆる日本の伝統食、
発酵食品には『乳酸菌』が関与しているものが多く、
数百年以上たった今でも、確実に日本に存在します。

これらの『乳酸菌(伝統的乳酸菌)』は、
日本人の体の中に入って、
腸を守っている可能性が高いといわれています。

『日本人の乳酸菌の摂取量の推移』(カゴメ株式会社調べ)
をみると、

イ)植物性乳酸菌数:
漬物・味噌・植物性乳酸菌飲料の摂取量から算出

ロ)動物性乳酸菌数:
発酵乳・乳酸菌飲料・ナチュラルチーズの摂取量から算出

とした場合、以下のことがわかります。

イ)植物性乳酸菌数
   ロ)動物性乳酸菌数 より圧倒的に多かったが、
   戦後一貫して低下。

ロ)動物性乳酸菌数
   食料事情が改善してきた1965年頃より急激に増加。
   1990年代初頭に イ)植物性乳酸菌数 を逆転し
   その差はさらに大きく開いてきている。

大腸の病気を引き起こす原因は、
食生活(特に肉食の増加、食物繊維摂取量の低下など)
が大きく関与している可能性が指摘されます。

『数百年以上も昔から続いてきた伝統食(一汁三菜)を摂らなくなり、
 さらに味噌、漬物を食べる習慣が減ってきたことによる
 植物性乳酸菌摂取の低下が起こっている時期が、
 大腸の病気が目に見えて増加している時期と重なっている』
と松生先生。

ニキビ患者さんを見ると、
洋食、パン派の人が治療に抵抗する印象が強いです。

『 数百年以上日本人の腸を守ってきた
  日本の伝統食を見直しましょう。

  味噌汁、漬物などの発酵食品などから
  植物性乳酸菌を摂りましょう。

  腸内環境を整え
  大腸がんなど大腸の病気を防ぐことが
  結果として命を守り
  「ニキビ改善」につながります。 』

『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】

『 「味噌汁、漬物はたまにしか食べない」はやめて便秘改善 』

  • ■ 医師の『小林弘幸先生』の本
     『自律神経が整えば休まなくても絶好調』の最終章にある
     『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
     『腸を整える』という項目を発展させ、
     『 腸 活 』を独自に掘り下げています。
  • ■ 今回は、
     『  「味噌汁、漬物はたまにしか食べない」 
            はやめて便秘改善       』
      し、『ニキビ改善』につなげる方法を考えます。
  • ■ 日本人の食は、米食、一汁三菜を基本とする和食(家庭食)
      の習慣が衰退しています。
  • ■ それと呼応するように
      大腸がんや難治性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
      にかかる患者数は1990~2000年代以降激増。
  • ■ 日本人の食生活に古くから取り入れられてきた
      味噌汁や漬物などの発酵食品は、
      健康な体づくりにも大いに貢献していることが
      近年わかってきました。
  • ■ 日本の発酵食品には『乳酸菌』が関与しているものが多く、
      これらの『乳酸菌(伝統的乳酸菌)』は、
      日本人の体の中に入り腸を守っている可能性があります。
  • ■ ニキビ患者さんを見ると、
      洋食、パン派の人が治療に抵抗する印象が強いです。
  • ■『 数百年以上日本人の腸を守ってきた
       日本の伝統食を見直しましょう。

       味噌汁、漬物などの発酵食品などから
       植物性乳酸菌を摂りましょう。

       腸内環境を整え
       大腸がんなど大腸の病気を防ぐことが
       結果として命を守り

      「ニキビ改善」につながります。 』
  • ■『ニキビ改善』はもちろん、
      健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その173」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

23年ほど前のことです。
開業準備をしている時に大手の業者さんに負けじと
熱心に営業されていたのが今回の掃除用品の会社のAさんでした。

熱意に負けて取引していただくことになり23年経ちました。
納品等は職員が引き継ぎ、
営業担当のAさんと直接お会いすることはなくなりました。

7、8年前、学会の帰り
羽田空港から帯広空港へ向かう飛行機の機内でのお話です。

私はエコノミー席の窓側で死んだように爆睡。
(誰が隣にいようがお構い無し。
 いつも記憶を無くすくらいに爆睡してしまいます。)

帯広空港に到着したので席を離れようとした時、
すぐ左隣(!!)の通路側に座っていた乗客の方が急に立ち上がり
『先生!◯◯◯◯◯◯のAです!!』
と声をかけられて驚いたことがありました。

私は飛行機に乗るのは年に数回なのですごい偶然です。

アルコール消毒液は全国的に不足していて
多分会社で出世されたAさんが気を利かして融通してくれた
というのが実情だと思います。

Aさん本当にありがとうございました。

今回のコロナ感染症の1日も早い終息を願ってやみません。

次回も、
『 腸内環境を改善するひと工夫 』の続きを考えます。
それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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