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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2020年10月20日配信)

第194回 『「 腸 活 」で「ニキビ改善」~(26)腸内環境を改善するひと工夫~「 下剤や健康茶を長期間飲んでいる 」はやめて便秘改善 』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

 

こんにちは。
とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

『マスク必須の世界』となった今年。

私の場合はそれなりに仕事もあり
コロナ対策を色々行っているうちに
時間的な余裕がなくなってしまいました。

巣ごもり対策で活況を呈している各種動画配信サービス
を視聴する機会も減ってしまいました。

AIを駆使して私の非協力的態度を監視しているサービス会社からは
毎日のようにメールが来ます。

『これ見てね』『面白いから契約切らないでね』(笑)
という感じでメールが来るものの全く反応できませんでした。

そんなある日のことです。
送信されてきたメールを見るとどこかで見た顔がありました。

ドリカムの吉田美和さんです。

『DREAMS COME TRUE LIVE SELECTIONS 』
という番組の企画の宣伝です。
会員は3つの番組を無料で視聴できる太っ腹な企画です。

吉田美和さんは高校2、3年生時のクラスメート。
ドリカムがデビューして間もなく
札幌市民会館で見たコンサート以来
ドリカムのライブを見たことがなかった私。

細切れながらもありがたく全て視聴しました。

感想は素晴らしいの一言。
横浜アリーナに大観衆を集め
独自の世界観で歌やダンスを披露する様子は
まさに大エンターテインメント!

昔の同級生は『別世界』のひとでした。

『マスク必須の世界』と『通常の世界』は『別世界』。

また、『ニキビに悩む世界』と『ニキビ無しの世界』
も全くの『別世界』です。

私の仕事は
『ニキビに悩む世界』にやむを得ずお住まいの読者が
『ニキビ無しの世界』にお住まいになれるように
橋渡しする役目。

『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 30年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
 「ニキビ改善」を意識できる「情報」を数多く提供。
 「ニキビ無しの別世界」への道が開ける定期便  』

になれば幸いです。

ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて
います。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を29年やってきた中で非常に重要と思い標語に
したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは
 https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

第165回からは、
医師の『小林弘幸先生』の本
『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(KKベストセラーズ)
の最終章にある『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
『腸を整える』という項目を発展させ、
『 腸 活 』について独自に掘り下げ、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えています。

『 腸 活 』とは、腸内にいる細菌の『善玉菌』を強化し、
正常な腸内環境を保って健康な体を手にいれることです。

『 腸 活 』が上手く行くと、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんの
『ニキビ改善』につながります。

前回は、『 食物繊維を摂るために毎食玄米ご飯 』をやめて
『便秘改善』をはかり『ニキビ改善』につなげる方法を考えました。
今回は、『 下剤や健康茶を長期間飲んでいる 』はやめて
『便秘改善』をはかり『ニキビ改善』につなげる方法を考えます。

     

『腸に悪い14の習慣 「これ」をやめれば腸が若返る』
 松生恒夫(まついけつねお)著 PHP新書
という本を最近読みました。

4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた消化器内科の先生が
お書きになられた本です。

14の腸に悪い習慣がわかりやすく取り上げられていて、
実体験に基づく優れた内容が満載です。
これはぜひご紹介したいと考えました。

ニキビ患者さんを含めた皮膚科の外来患者さんで
『便秘』で医療機関に通院されている方は少数派だと思います。

『便秘』で医療機関に通院されているのは
高血圧や糖尿病があって医療機関に通院するついでに
『便秘』の薬をもらっている中年からお年寄りの女性患者さん
が多いと思います。

ドラッグストアで
腸関連のサプリメント
(乳酸菌含有サプリメント、ビフィズス菌含有サプリメント)
や、
腸に良いとされる食材(ヨーグルト、乳酸菌含有飲料)
などが良く売れるのもうなずけます。

しかし、ここで注意しなければならないことがあります。

市販の腸によいとされるサプリメントで、
なんとか排便させようとする場合です。

近年はネット上で自由に市販のサプリメントを購入する人
が増加中。

腸によいと謳う健康茶
(センナの茎のお茶あるいはセンナ粉末のお茶、
 キダチアロエ等の含有したサプリメントなど)を飲み続け
『下剤依存症』のような状態に陥る人が増えてきている
と松生先生。

腸によいお茶として、
センナ茶(薬品扱いではなく食品扱い)を購入し、
はじめは薄めて飲んでいたものの、
あまり効果がないためどんどん濃い濃度のお茶を摂取するケース
もよくあるそうです。

これも『下剤依存症』といえます。

さらには、腸によいとされるサプリメントとして、
生薬や自然、酵素を謳い文句にしているものも要注意です。

というのは、
アロエ、キダチアロエ、センナ、大黄(ダイオウ)など
を含有しているサプリメントを長期間摂取していると、
次第に『大腸メラノーシス(大腸黒皮症)』
という病気にかかってしまうからです。

ちなみに、いずれのサプリメントも、
長期連用や増量して連用したときの危険性についての記載はありません。

これでは、『下剤依存症』が知らないうちに増加していく一方です。

できれば『下剤』は腸が黒化する前に服用を停止するべきですね。

『大腸メラノーシス(大腸黒皮症)』は、
アロエ、センナ、大黄(ダイオウ)などの『アントラキノン系薬剤』を
長期に服用していると発症する病気です。

『アントラキノン系薬剤』を長期に服用すると、
大腸にメラニン様の色素沈着が起こり、
大腸の粘膜が黒褐色を呈します。

『大腸メラノーシス』は、自覚症状こそないものの、
黒い色素の沈着が腸管神経叢にも影響して、
腸管を弛緩させ腸本来の働きができなくなります。

研究によると、
このメラノーシスは免疫系が関与する慢性炎症の病気である
ことが示唆されます。

とにかく食品として売っている『センナ茶』には注意が必要です。
長期に摂取していると『大腸メラノーシス』を引き起こし、
摂取しないと排便が困難になってしまうことがあります。

『センナ茶』を急にやめると
まったく排便ができなくなってしまうことがあり得るそうです。
これは恐ろしい話です。

『センナ茶』は、センナの茎でできているので、
食品扱いですが、薬の粉末が混じっているので薬品と同じです。

また、腸によいサプリメントとして、
素材の一つに『アロエ』が入っているものもあります。
キダチアロエの原液をそのまま摂取する人もいるそうです。
この場合も長期に摂取していると
『大腸メラノーシス』が発生します。

このように、
さまざまなサプリメントや食品の中には
『アントラキノン系薬剤』が含有されているものがある
ので要注意です。

『大腸メラノーシス』は
下剤の服用をやめてから数年で正常化するそうです。

でも『下剤依存』となってしまうと
下剤を中止すると排便ができなくなる可能性があるため
『大腸メラノーシス』の改善は難しくなります。

消化器専門医にかかることが必要ですね。

何気にカフェなどで飲食していると
女性グループの会話が聞こえてくることがあります。

『便秘』についての会話で印象的なことがありました。

『この薬が効いたわ』『ヨーグルトがいいみたいよ』
『私、週に1度しかでないの』『◯◯茶は欠かせないわ』
などと議論が白熱して大声となり、
『便秘』についての激論が筒抜けでした。

こっそり面々の顔を見ると『ニキビ患者さん』
と思われる方の比率が高かったのが記憶に残っています。

恥ずかしい気持ちがあって
消化器科にかかりにくい雰囲気があるのは良くわかります。
やっぱり専門医にかかるのは大切ですね。

『市販薬』での治療に限界を感じたら
消化器専門医を受診しましょう。

専門医で治療を行うと『大腸メラノーシス』も改善。
『腸内環境が改善』し『ニキビ改善につながる』
可能性は高いです。

『   「便秘』でお悩みの「ニキビ患者さん」は
     「下剤」の連用はやめましょう。

       なんとか排便させるため
       市販の腸によいとされる
  「センナの茎のお茶あるいはセンナ粉末のお茶」
  「キダチアロエ等の含有したサプリメント」
        などを飲み続け
   「下剤依存症」となるひとが増えています。

 「下剤依存症」は「大腸メラノーシス」を引き起こし、
    下剤無しでは排便が困難になることも。

    「市販薬」での治療に限界を感じたら
    消化器専門医での治療をお勧めします。

 「腸内環境が改善」し「ニキビ改善につながる」
      可能性が高まります。            』

『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】

『   「 下剤や健康茶を長期間飲んでいる 」
はやめて便秘改善            』

  • ■ 医師の『小林弘幸先生』の本
     『自律神経が整えば休まなくても絶好調』の最終章にある
     『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
     『腸を整える』という項目を発展させ、
     『 腸 活 』を独自に掘り下げています。
  • ■ 今回は、  『 下剤や健康茶を長期間飲んでいる 』はやめて
     『便秘改善』をはかり『ニキビ改善』につなげる方法を考えます。 
  •  
  • ■ 腸によいと謳う健康茶(センナ茶)、
      キダチアロエ等の含有したサプリメントなど
      を飲み続け『下剤依存症』に陥る人が増えています。
  • ■ アロエ、キダチアロエ、センナ、大黄(ダイオウ)など
      を含有しているサプリメントを長期間摂取していると、
      次第に『大腸メラノーシス(大腸黒皮症)』
      という病気になってしまいます。
  • ■『大腸メラノーシス』は、自覚症状こそないものの、
      黒い色素の沈着が腸管神経叢にも影響して、
      腸管を弛緩させ腸本来の働きができなくなる病気です。
  • ■『   「便秘』でお悩みの「ニキビ患者さん」は
         「下剤」の連用はやめましょう。

           なんとか排便させるため
           市販の腸によいとされる
      「センナの茎のお茶あるいはセンナ粉末のお茶」
      「キダチアロエ等の含有したサプリメント」
            などを飲み続け
       「下剤依存症」となるひとが増えています。

     「下剤依存症」は「大腸メラノーシス」を引き起こし、
        下剤無しでは排便が困難になることも。

        「市販薬」での治療に限界を感じたら
        消化器専門医での治療をお勧めします。

     「腸内環境が改善」し「ニキビ改善につながる」
          可能性が高まります。            』
  • ■『ニキビ改善』はもちろん、
      健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その177」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

コロナ禍では、様々な院内の仕事が増えました。

各種の情報収集に時間を取られ
様々な業者さんとの打ち合わせも突発的に発生。
非常に大変な思いをしました。

1日には24時間しかありませんから
どこを削るかというと『娯楽』です。

それまではいくつかの各種動画配信サービスを契約し、
休みの日を中心に少しづつ視聴していましたが
ほぼ完全に封印。

しばらくぶりに視聴した、
今回のドリカムのパワー溢れるライブは
私を『別世界』に誘ってくれました。
本当に良い気分転換になりました。

次回も、
『 腸内環境を改善するひと工夫 』
について考えます。

それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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