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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2021年4月20日配信)

第200回 『「 腸 活 」で「ニキビ改善」~(31)腸内環境を改善するひと工夫~ 腸に良い習慣 「 グルタミン リッチ 」 を取り入れて 「 ニキビ改善 」 前編 免疫を高めるカギとなる「グルタミン」 』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

 

こんにちは。 とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

『カラダに優しいチョコ』ホリと札医大が共同開発

地元の夕刊紙に見出しが踊っていました。

菓子メーカー『ホリ』(砂川市)と札幌医科大学は、
『ホリのやさしい美味しさプラスショコラ』
(15個入り、90g、500円)を共同開発。

道産牛乳の全粉乳を使用した一口サイズのミルクチョコレートです。

『ホリ』さんと私の母校『札幌医科大学』は、
2013年に包括連携協定を締結したのをきっかけに
商品の共同開発を行っているそうです。
今回がその3商品目です。

早速、取り寄せて食べてみました。

甘さ控えめで濃厚な味わい。
ちょっとした高級チョコレート風でなかなか良い感じです。
無香料・無着色でチョコレート本来の味わいを楽しむことができます。

このチョコレート。
ロイシン、リジンなどのアミノ酸9種、ビタミン11種、乳酸菌を配合。
『リッチな味わいながら、体に良い成分がプラスされているのが特徴。
 おいしさを追求して施策を重ねた』とPRされているのも納得です。

北海道立の公立大学とはいえ、
医業収入だけでは将来が危うい母校。
包括連携協定をさまざまな会社と結び生き残りを図っています。
この記事を報じた地元の夕刊紙『十勝毎日新聞』とも結んでいます。

私も『微力』ながら少しでも応援するつもりで食べたいと思います。

『微力』は積み重なると『力』になって、
予想以上の効果を上げることがあります、
昨年来、世の中は『マスク必須の世界』となりました。

『今までの通常の世界』と『マスク必須の世界』は『別世界』。
不安で不確実な世界に突入しました。

人は『微力』ながら『力』をつけて時代に対応する必要があります。

私の仕事は
『ニキビに悩む世界』にやむを得ずお住まいの読者が
『ニキビ無しの世界』にお住まいになれるように
橋渡しする役目。
『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 30年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
 「ニキビ改善」を意識できる「情報」を数多く提供。
 「微力」ながらも「ニキビ改善」につながり
 「ニキビ無しの別世界」への道が開ける定期便   』

になれば幸いです。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて
います。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を30年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは
 https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

第165回からは、
医師の『小林弘幸先生』の本
『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(KKベストセラーズ)
の最終章にある『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
『腸を整える』という項目を発展させ、
『 腸 活 』について独自に掘り下げ、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えています。

『 腸 活 』とは、腸内にいる細菌の『善玉菌』を強化し、
正常な腸内環境を保って健康な体を手にいれることです。

『 腸 活 』が上手く行くと、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんの
『ニキビ改善』につながります。

前回からは、最新の研究からわかってきた
『 積極的に取り入れたい 腸によい 6つの習慣 』
について考えています。

前回は、
『 腸に良い習慣 「 マグネシウム リッチ 」』を取り入れて
『腸内環境改善』をはかり『ニキビ改善』につなげる方法を考えました。

今回は、
『 腸に良い習慣 「 グルタミン リッチ 」』を取り入れて
『腸内環境改善』をはかり『ニキビ改善』につなげる方法を考えます。
『腸に悪い14の習慣 「これ」をやめれば腸が若返る』
 松生恒夫(まついけつねお)著 PHP新書
という本を最近読みました。

4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた消化器内科の先生が
お書きになられた本です。

14の腸に悪い習慣などがわかりやすく取り上げられていて、
実体験に基づく優れた内容が満載です。
これはぜひご紹介したいと考えました。

アミノ酸の一種『グルタミン』が、
免疫力を高めるカギを握っているということがわかってきました。

『うま味』の成分『グルタミン酸』とは違います(これ重要!!)
ので注意が必要です。

免疫を担う細胞やリンパ球の栄養分となっているのが、
アミノ酸の一種である『グルタミン』で、
この『グルタミン』は、筋肉から供給されています。

そのため、食事の量を極端に減らすと、
タンパク質の摂取量が減少し、それに伴って筋肉量も減少。
いざというときに『グルタミン』の供給量が不足します。

結果、リンパ球がうまく働かずに免疫力が低下し、
感染症などにかかりやすくなる可能性があります。

私は恥ずかしながらこの『グルタミン』の重要性については
明らかに認識不足でした。

以下の実験事実 イ)ロ)ハ)も長くなるため省略する予定でした。
しかし、非常に重要な内容が含まれています。

この事実を知ることにより
『グルタミン』の重要性をよりはっきり認識できるのです。

『グルタミン』については
2回に渡って取り上げることにしました。

イ)免疫細胞の培養には『グルタミン』が不可欠

1950年代、
アメリカ国立衛生研究所(NIH)のヘンリー・イーグル博士は、
免疫細胞を培養する際に、『グルタミン』が不可欠であることを発見。

様々な成分を調査し、
『「グルタミン」を加えた環境でのみ免疫細胞が発育する』
ことを確認しました。

昔、私は大学院でメラノーマ細胞やリンパ球の培養を行っていました。
培養液には確かに『グルタミン』が含まれていました。
当時はデータを得るために必死で何も考えていませんでした(笑)が、
こういう背景があった訳です。

ロ)小腸(免疫を担う全身のリンパ球の60%以上が存在する)
  の栄養分は『グルタミン』

1970年代、同じくNIHの研究チームが、
小腸(免疫を担う全身のリンパ球の60%以上が存在する)
の栄養分はグルコースではなく『グルタミン』であると指摘。

1982年、ウインドミュラー博士が、
病気によるストレスが加わると、
体の筋肉組織を分解して多量の『グルタミン』が作られることを指摘。

小腸は最近研究が進んできている臓器です。
全身のリンパ球の60%以上が存在するとは驚きです。

ハ)免疫機能を高めるには体内の『グルタミン』量の増加が必要

1985年、
イギリスのオックスフォード大学のエリック・ニュースホルム博士が、
体内の『グルタミン』の量が減少すると、
リンパ球や貪食細胞などの免疫を担う細胞の機能が低下。
逆に、体内の『グルタミン』の量が増加すると、
免疫機能が高まることを発見。

1990年代には、
『グルタミン』の投与によりリンパ節の細菌がかなり減少し、
IgA抗体(粘膜のバリアとして働く物質)が増加する
ことが動物実験で報告。

どうでしょうか?
私の書き方が悪く、
あまりピンと来ない読者の方もいらっしゃると思います。

結局の所、

『「グルタミン」を加えた環境でのみ免疫細胞は発育します。

  小腸(免疫を担う全身のリンパ球の60%以上が存在)
    の栄養分は「グルタミン」で、
    体内の「グルタミン」の量が増加すると
      免疫機能が高まります。

      つまり「グルタミン」は
「人間が外敵から自らを守り生きていくための最重要物質の一つ」 』

という訳なのです!!

『ニキビ患者』さんの診察を行うとき、
顔や頚部、背中などニキビのある部位をまず観察します。

私の場合は次に、
肌の色ツヤや栄養状況、生活状況もチェックしていきます。

栄養状況が良い『ニキビ患者』さん(=免疫力が高いと推測)は、
ニキビ改善の可能性が高いためあまり心配しません。

けれど、
あまり栄養状況が良くない『ニキビ患者』さん(=免疫力に難ありと推測)
はニキビ改善が遅れたり満足のいく結果が得られなかったりします。

そのため
『朝はきちんと食べていますか?』
『ジャンクフードが好きですか?』
『何時頃に寝ていますか?』
などと質問が多くなってしまいます。

『医者はもっと栄養学を勉強するべきだ』
と臨床に強いある皮膚科の先生が講演会で力説されていたこと
を思い出しました。

今回、私は『グルタミン』を通じて
『栄養学』の大切さを再認識しました。
実践的な話は次回に譲ります。

腸に良い習慣『 グルタミン リッチ 』
を取り入れて『腸内環境改善』をはかることは
『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】

『 腸に良い習慣 「 グルタミン リッチ 」
   を取り入れて 「 ニキビ改善 」 

 

前編 免疫を高めるカギとなる「グルタミン」 』

  • ■ 医師の『小林弘幸先生』の本
     『自律神経が整えば休まなくても絶好調』の最終章にある
     『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
     『腸を整える』という項目を発展させ、
     『 腸 活 』を独自に掘り下げています。
  • ■ 今回は『 腸に良い習慣 「 グルタミン リッチ 」 』
      を取り入れて『腸内環境改善』をはかり
     『ニキビ改善』につなげる方法を考えました。
  • ■ アミノ酸の一種『グルタミン』が、
      免疫力を高めるカギを握っていることがわかってきました。
      (『うま味』の成分『グルタミン酸』とは違います!!)
  • ■ 免疫を担う細胞やリンパ球の栄養分となっているのが、
     『グルタミン』。
  • ■ 筋肉から供給されるため、食事の量を極端に減らすと、
      タンパク質の摂取量が減少し、筋肉量も減少。
      いざというときに『グルタミン』の供給量が不足します。
  • ■ 結果、リンパ球がうまく働かずに免疫力が低下し、
      感染症などにかかりやすくなる可能性があります。
  • ■『「グルタミン」を加えた環境でのみ免疫細胞は発育します。

       小腸(免疫を担う全身のリンパ球の60%以上が存在)
          の栄養分は「グルタミン」で、

        体内の「グルタミン」の量が増加すると
           免疫機能が高まります。

          つまり「グルタミン」は
    「人間が外敵から自らを守り生きていくための最重要物質の一つ」』
  •  
  • ■ あまり栄養状況が良くない『ニキビ患者』さん
     (=免疫力に難ありと推測)はニキビ改善が遅れたり
      満足のいく結果が得られなかったりします。
  • ■ 腸に良い習慣「グルタミン リッチ」
      を取り入れることは『ニキビ改善』はもちろん、
      健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

☆彡☆彡☆彡「落ち穂 その183」彡☆彡☆彡☆

前出のチョコレートでも出てきた『アミノ酸』。

昔、学校で憶えたのが
『必須アミノ酸』と『非必須アミノ酸』です。

私たちのからだは主にたった20種類のアミノ酸からできています。
この20種類のアミノ酸は、
からだの中でつくることのできない『必須アミノ酸』と、
からだの中でつくられる『非必須アミノ酸』とに大別できます。

『必須アミノ酸』は、
毎日の食事から必ず摂ることが必要とされるアミノ酸です。
体内では合成されず、必ず食物から補給しなければならない

バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン(リシン)、
フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン(トレオニン)、
ヒスチジン 9種

『非必須アミノ酸』は、
体内で合成できるが、様々な働きがあるため、摂取したいアミノ酸です。
アルギニン(※)、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、
システイン、アスパラギン、『グルタミン』、プロリン、アスパラギン酸、
グルタミン酸 11種 

(※)アルギニンは小児では必須アミノ酸に含まれる

『非必須アミノ酸』の中で、ひっそり佇むのが
我らが(笑)『グルタミン』。

大人になって勉強してその大切さに気づく。 これが勉強の醍醐味なのですね。

次回も、 『 腸内環境を改善するひと工夫 』 について考えます。

それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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