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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2022年11月20日配信)

第219回 『「 腸 活 」で「ニキビ改善」 〜(49)腸内フローラを健やかに保って「 ニキビ改善 」(2)〜 』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい# 

こんにちは。
とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

帯広・とかちで近年有名になったもの。

その一つが、
今年で11回目を迎えた
『フードバレーとかちマラソン』(実行委員会、帯広市主催)です。

今回2022年10月30日(日)は3年ぶりの実地開催。

ハーフマラソンの2875人を含む計4497人がエントリーし、
十勝を駆け抜けました。

毎年、知人や患者さんが参加しているので
私は地元の新聞をほんの少しだけチェックしています。
( 地元の新聞には
  何と完走者の氏名とタイムが全て掲載されているのです。 )

やはり今回も参加していた高校の同級生S君。
立派なタイムで完走していました。
さすが陸上部のアスリートは56歳でも違います。

チェックしているうちに目がチカチカしてきました。
もう面倒だからチェックはやめようと思いました。
でも今年は何かあるような気がして、
男子50〜64歳の部分を全てチェックしてみました。

そこはあっと驚く『宝島』状態でした。

S君を筆頭に、他の高校時代の同期生や患者さん、会社の経営者さん複数、
隣町の町長さん、高校の後輩で優秀な耳鼻科の先生—–。

そして何と!
高校時代に叱られたことをこのコラムでも紹介させていただいた
STV札幌テレビ解説委員 五味宏 先輩も完走されていたのでした。

いや〜本当に驚きました。

やはり人の上に立って仕事ができるひとは気合いの入り方が違います。

マラソンはよく『人生』に例えられます。

マラソンの大会に参加して完走できるということは
『 「 継続 」して努力を続けたひとだけが得られる大きなご褒美 』
だと思います。

それを手にすることができたひとは『 人生の勝利者 』
であるといっても過言ではないでしょう。

ちなみに私。

マラソン大会当日は月末の保険チェックに追われていました。
マラソン大会があったことを新聞で知ったのは、
仕事が終わって新聞を開いた31日の午前1時頃でした。

『人生』というマラソンには、
ハーフマラソンにフルマラソン、
家族参加のファミリーマラソンのようにさまざまな形があります。

私の場合、今後もマラソン大会に参加することはありません。

でも

『 自分の人生という「マラソン」には、
      後悔しないように「 継続 」して参加し続けたい 』

と考えています。

一生懸命『ニキビ治療』に取り組んでいても
一進一退で結果が出ない時があります。
次々問題が発生してつらい時もあります。
私の仕事は
『ニキビに悩む世界』にやむを得ずお住まいの読者が
『ニキビ無しの世界』にお住まいになれるように
橋渡しする役目。
『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 32年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
 「1日1日を大切に生きる」そして「ニキビ改善」につながる
  重要な「情報」を数多く「継続」して提供。
 「ニキビ無しの別世界」への道が開ける定期便   』

になれば幸いです。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。 (思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を32年やってきた中で非常に重要と思い標語に
したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは
 https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

第165回からは、
医師の『小林弘幸先生』の本
『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(KKベストセラーズ)
の最終章にある『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
『腸を整える』という項目を発展させ、
『 腸 活 』について独自に掘り下げ、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えています。

『 腸 活 』とは、腸内にいる細菌の『善玉菌』を強化し、
正常な腸内環境を保って健康な体を手にいれることです。

『 腸 活 』が上手く行くと、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんの
『ニキビ改善』につながります。

前回は、
『 腸内フローラ 』を健やかに保って『 ニキビ改善 』をはかる方法
の1回目について考え、『 腸内フローラ 』の概略を説明しました。

今回は、
『 腸内フローラ 』を健やかに保って『 ニキビ改善 』をはかる方法
の2回目について考えます。『非常に重要な内容』を含みます。 
『腸に悪い14の習慣 「これ」をやめれば腸が若返る』
 松生恒夫(まついけつねお)著 PHP新書

という本を最近読みました。

4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた消化器内科の先生が
お書きになられた本です。

14の腸に悪い習慣などがわかりやすく取り上げられていて、
実体験に基づく優れた内容が満載です。
これはぜひご紹介したいと考えました。

『腸内フローラ(腸内細菌叢)』とは、
腸内に生息する細菌の集団のことです。

この『腸内フローラ』の菌の数は膨大です。
なんと便1グラム当たり1千億個、
ヒトの消化管全体で百兆個の菌が生息している
ことが判明しています。

健康な成人では、
一定の『腸内フローラ』構成を 安定的に維持していて、
『正常腸内フローラ』とも呼ばれています。

前回の内容をまとめると以下の通りです。
『 「 腸内環境 」は

 (1)食事成分
 (2)腸管運動
   (胃・結腸反射、大蠕動、直腸反射、腸管蠕動運動等)
 (3)「腸内フローラ(腸内細菌叢)」 
   の3つのファクターから構成されます。

   「 腸内環境 」を整え健康に生活し、
 「ニキビ改善」につなげるためには
 3つのファクターをバランスよく整えることが必要です。 』
また、「腸内フローラ」は

イ)食事因子
ロ)薬物服用による変動(例えば抗生物質服用など)
ハ)生活環境(物理的、精神的ストレスによる腸管運動の亢進または低下)
二)外来微生物(病原微生物による感染)

によっても影響を受けます。

これからお話する、
上記の 『 イ)食事因子関連の内容 は 決定的に重要!! 』
だと個人的には考えます。

『 腸内フローラが生み出す化合物
            「 酪酸 」が腸の健康のカギだった! 』 と判明したからです。

まず、腸内フローラと腸の機能について考えます。

大腸には、 腸内フローラとして400種類以上の細菌が、
便1グラム当たり1000億個存在すると言われています。

これらの細菌は、
大腸内に到達した『オリゴ糖』や、
『ある種の食物繊維等の多糖類』を主要なエネルギー源として、
『嫌気発酵』を行っています。

『 腸内フローラは、嫌気発酵を行うことにより、
  細菌叢を維持するためのエネルギーを獲得している 』
のです。

そして、発酵の結果として、大量の代謝産物が腸内に発生します。

実は、
『 大腸粘膜上皮細胞(大腸の表面を覆っている細胞)の
  第一のエネルギー源が、
  腸内フローラの発酵による代謝産物の一つ「 酪酸 」』

なのです。

『 大腸の主要なエネルギー源は「 酪酸 」で、
  二番目は小腸の主要なエネルギー源である
  「 グルタミン(アミノ酸の一種)」 』

といわれています。

これを裏付けるのが、以下の実験データ(#)です。

(#)
1.分離されたヒト結腸上皮細胞(特に遠位結腸)は、
  グルコース(糖)よりも『 酪酸 』を効率よく代謝する。

2.潰瘍性大腸炎患者の結腸上皮細胞は、
  『 酪酸 』利用率が低く、
  患者の糞便中の『 酪酸 』濃度が高いことなどにより、
  結腸上皮細胞の『 酪酸 』利用の欠損と潰瘍性大腸炎の関連
  が考えられる。

3.実際に、潰瘍性大腸炎の人に『 酪酸 』を投与すると、
  改善しやすい。

それでは、
腸内フローラを健やかに保つための食事とはどのようなものでしょうか?
腸内フローラを良好に保つためにはどのようなことが必要なのでしょうか?

繰り返しになりますが、

『 大腸内の腸内フローラは、
  大腸内に到達した未消化多糖類( 食物繊維、オリゴ糖など )を
  重要な栄養分として嫌気発酵を行っています。

  そして腸内フローラは、
  この発酵によりエネルギーを獲得しています。

  大腸内発酵の重要な代謝産物は、
  短鎖脂肪酸( 「 酪酸 」、プロピオン酸、酢酸など)、
  メタン、水素ガス、アンモニアなど。

  この「 酪酸 」が 大腸粘膜上皮細胞の第一番目のエネルギー源であり、
  腸の機能を保つ上でも重要である。 』

ということになります。

したがって、

『 腸内フローラの健康を維持するためには、
  外部から乳酸菌やビフィズス菌など生体にとって有用な菌を摂取する
  ことも重要ですが、
  未消化多糖類である食物繊維やオリゴ糖などを摂取することが、
  最も重要なポイント 』

なのです。

便秘などの『腸内環境』の異常でお悩みの『ニキビ』患者さんは多いです。
『腸内環境』の改善に努めることで
『ニキビ改善』につながる患者さんも多いです。

『      腸内フローラの健康を維持するためには、
  外部から乳酸菌やビフィズス菌など生体にとって有用な菌を摂取する
          ことも重要。

         

しかし、それ以上に

         大腸内の腸内フローラに
  未消化多糖類である食物繊維やオリゴ糖など重要な栄養分を供給して
           嫌気発酵を行わせ

     大腸粘膜上皮細胞の第一番目のエネルギー源である
       「 酪酸 」を合成させる

      ことが腸の機能を保つ上で最も重要である。

       

        このことをよく理解した上で
         腸内環境を整えましょう。
  健康な生活が可能となり「ニキビ改善」につながります。  』
『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】

『     「 腸 活 」で「ニキビ改善」
〜(48)腸内フローラを健やかに保って
「 ニキビ改善 」(2)〜 』

  • ・ 医師の『小林弘幸先生』の本
      『自律神経が整えば休まなくても絶好調』の最終章にある
      『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
      『腸を整える』という項目を発展させ、
      『 腸 活 』を独自に掘り下げています。
  • ・ 『腸内フローラ(腸内細菌叢)』とは、
       腸内に生息する細菌の集団のことです。
  • ・ 『腸内フローラ』の菌の数は膨大で、
       便1グラム当たり1千億個。
       ヒトの消化管全体で百兆個の菌が生息している。
  • ・ 健康な成人では、
       一定の『腸内フローラ』構成を 安定的に維持し、
       『正常腸内フローラ』とも呼ばれる。
  • ・『   腸内フローラの健康を維持するためには、
          外部から乳酸菌やビフィズス菌など
           生体にとって有用な菌を摂取する
              ことも重要。

             しかし、それ以上に

             大腸内の腸内フローラに
         未消化多糖類である食物繊維やオリゴ糖など
             重要な栄養分を供給して
               嫌気発酵を行わせ

        大腸粘膜上皮細胞の第一番目のエネルギー源である
            「 酪酸 」を合成させる

          ことが腸の機能を保つ上で最も重要である。

                    このことをよく理解した上で
             腸内環境を整えましょう。
      健康な生活が可能となり「ニキビ改善」につながります。  』
  • ・『ニキビ改善』はもちろん、
      健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「 落ち穂 その202 」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

マラソン大会。

学生時代、
私は参加するだけで精一杯。
良い思い出はありません。

私にとって最高のランナーは、
高校の先輩『高嶋智光先輩』です。

高嶋先輩は、高校の途中まで通った塾の先輩です。
現役で東大理一に合格。
その後、文転され、司法試験に合格。
現在、法務省の事務次官(!!)に就任されています。

田舎の生んだ『ウルトラスーパーエリート』です。

私はその勇姿を在学中は拝むことはできませんでしたが、
校内マラソン大会で優勝を果たすなど伝説となっていました。

新聞配達のバイトを行っているうちにマラソンが速くなったそうです。

現代のランナーは公務員の方が多いようです。
今回のフードバレーマラソンの優勝者は男女ともに公務員の方でした。

私は自営業なので時間的にも参加することが難しく、
何かあった時に変わりがいないので二の足を踏んでしまいます。

私の場合、自分の人生という『マラソン』に参加するのが合っています。

『 自分の人生という「マラソン」には、
       後悔しないように「 継続 」して参加し続けたい 』

と考えています。

次回も『腸活』について考えます。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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